Quoted from Twitter @Hitotsuda
SCRIPT
【1913年3月15日AM3:00】
細く衰弱しきった身体。
そこからのびる何本もの脚はせわしく動かされた末に、その動きをとめる。
しずかな孤独の中で、Gregor Samsaはその息を引き取った。この変身の物語は5か月前から始まる。
【1912年11月27日AM6:00】
Gregor Samsaは夢から覚めると、ベッドの上に投げられた自らの身体が背丈そのままに虫のそれに変身していることに気付いた。意識せずともうごめく無数の脚。背中の鈍い痛みとやけに鋭い聴覚。声も思い通りには出てきてくれない。・・・その姿は、どの虫とも形容しがたい姿に変身していた。
勤勉なセールスマンとして両親と妹を養っていたGregor。直後は保たれていた人間としての精神は、自分の人間感情が段々と薄れていく狂気と恐怖に蝕まれる。彼と家族との関係は次第にほころびをみせ、ひとり、またひとりと彼の人間としての存在を認める人が減っていく。彼の変身は、家族になにをもたらしたのか。これは人は人との繋がりの中でしか生きられないことを伝える物語である。
Message from Director
本日はご来場いただき、誠にありがとうございます。今年度のひとつだプロダクションのはチェコの作家、フランツ・カフカの作品「The Metamorphosis」を皆様にお届けします。
未熟な我々にご支援、ご協力頂きました関係者の皆様の助けによりここまでやってくることができました。様々な方面から協力してくださいました皆様に深く感謝申し上げます。
「The Metamorphosis」は、邦題では「変身」として親しまれている非常に有名な文学作品です。この作品が世にはじめて出たのは1915年。偶然にも、刊行100年目という記念すべき年に舞台をつくることになりました。人間が朝起きたら虫になっていた!!・・・なんて設定は、現実味のないファンタジーの物語と思われる方が多いでしょう。
しかし僕はこの芝居を観客の皆様とは一線を介した、遠いところで起きているストーリーではなく、どこか身近でリアリティあるものとしてつくりあげました。この話が決して、ただの夢物語ではないからです。100年もの間愛され続けた理由が、Gregor Samsaが伝えたかった言葉が皆様に伝われば幸いです。
終わりに、繰り返しになりますが、我々の活動に惜しみなく助力してくださった関係者の皆様に深く感謝を申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。
15ひとつだプロダクションDirector 藁谷富次郎
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